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2021/05/03
キューバへの旅。
ちょうど2年前のいまごろ、わたしは家族とともにキューバのマレコン通り沿いの民泊に身を寄せていた。
家族と滞在していたアメリカからのたび。メキシコを経由して密入国?のようなかたちで入国した。
パスポートにもNOTstamp!でキューバへ行ったことは「ない」ことにして、アメリカへ戻らなくてはならなかった。(トランプ政権のアメリカはキューバへの制裁を強め、アメリカからは自由に入出国できない状況だったため。)
光も影も色も匂いも建物も人も文化も何もかもが日本とまったく違ったキューバ。場所や空間だけでなくて、時間をも遡って旅をしたような、まるでタイムスリップしたような、不思議な錯覚に陥った。
社会主義国のキューバは大変貧しい国であった。ものがなくて、貧しくてボロボロで、心が痛くなるようだった。観光が大きな産業なので、客が行きかう表通りやホテルだけは綺麗に整えられてあったし、そこらじゅうで観光客に向けて楽し気なダンスやラテンの音楽が披露されている。
が、一本裏道に入ると 息遣いの粗い生活臭の漂う無秩序な空間が永遠に広がる。建物はいまにも崩れそう。
おいしいものもあまりない。気に入ったのは果物とラム酒とミントのカクテル「モヒート」くらい。
スーパーマーケットにもたまにしかものがない。
それでも皆の顔がいきいきと明るいのはなぜだろう。それまでのキューバがたどってきた不運な植民地の歴史から考えるとやっとつかんだ国家と国民としての誇りなのだろうか。
「資本主義と社会主義」 「平等と競争」 「統制と自由」
グローバルな世の中で、国という枠組みのなかで情報や経済が収まらなくなっている以上、もうキューバのような国家のあり方は限界のような気もした。世界の流れからぽんと置いてかれてしまっている。そして置いてかれてしまっていることに国民が気づき始めている。
もちろんインターネットもふつうに使えないのだが、唯一使える広場があり、そこは人があふれかえっていて、老若男女が夢中になってスマホをのぞき込んでいる。外国の情報や通貨を欲していて、個人間ではネットを使った海外との商売も横行しているようだ。
「競争」は「成長」を生む。でも「競争」が行きすぎると「格差」が生まれる。「競争」がなさすぎると「向上心や成長」が生まれない。
平等と競争のバランスが絶妙だった日本の高度成長期はじつは素晴らしい時代だったのかもしれない。そんなことを考えた。
これからキューバがどんな選択をし、国民の生活がどのように変化していくのか。ずっと注目していきたいと思った。
こどもたちはキューバの旅の話をあまりしない。消化するのにはまだ時間が掛かるのか、そっと心にしまってあるようだ。
世界はうんと広くて、想像しているよりももっと多様であることは肌から感じ取ったに違いない。
ずっと来たかったマレコン通り。民泊のテラスから。
ド派手クラッシクカーが街に馴染む。
水を買うのもやっと。日本から持ってきたTRANSITのキューバ特集が旅のお供の本。
民泊のお姉さんが出してくれたフルーツ盛り合わせ。
2つめの民泊 中華街の近くのカオスな場所に泊まってしまった。夜通しひとの怒鳴る声、バイクや車の音、生活音が響き合う。
デザインがすてきな民泊にも泊まった。
表通り。はきれい。
なぜか水色たちが集まった偶然。
街中で見つけた配給所。食材や調味料が支給される。
バナナのとこ重そう。
何でも知っていそうな猫。
シャビーな街並み。
おもちゃやさん。ほとんどものがないし、客もいない。
歴史のある薬屋さん。かっこいい。
絵になる広場。
何も知らなそうな猫。
自然に踊りだしちゃうあるある。
カバーニャ要塞にて。
スペイン風の街並みが美しい。
メキシコの島へ渡った。楽園。
世界一細かな砂らしい。楽園。
夕日が心身にしみる。
早く自由に旅ができる地球にもどりますように。。
旅日記:野口玲子